矯正治療中に虫歯が見つかると、治療の進行に影響を及ぼすだけでなく、口腔内の健康全体にも関わる重要な問題です。
しかし、矯正装置を装着した状態でも、適切な治療を受けることで虫歯を改善し、治療を継続することが可能です。
本記事では、矯正前や矯正中に虫歯が発覚した際の対応方法や治療の流れ、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
虫歯を放置せず、早期に対処することで、矯正治療をスムーズに進め、健康な歯を維持するための参考にしてください。
虫歯があっても歯列矯正は可能？
虫歯治療を最優先する
矯正治療を始める前に、虫歯がある場合は必ず虫歯治療を最優先に行うことが重要です。
虫歯が進行していると、矯正装置を装着した後に歯が動く過程で歯の構造が損なわれる可能性があります。
また、虫歯がある歯に強い圧力をかけることは、痛みやさらなる損傷を引き起こす原因にもなります。
治療を開始する前に、虫歯をしっかりと治療しておくことで、歯の健康を確保し、矯正治療が安全かつ効果的に進められます。
虫歯治療後に状態が安定すれば、その後の矯正治療がスムーズに進むことが期待できます。
軽度の場合は歯列矯正ができる可能性がある
軽度の虫歯がある場合でも、適切に治療を行った後に歯列矯正を進めることができる可能性があります。
例えば、表面だけの小さな虫歯であれば、虫歯の治療とともに矯正治療を進めることが可能です。
虫歯の部分を適切に治療し、その後歯の状態が安定していることを確認してから矯正を開始することが推奨されます。
ただし、虫歯が深刻な場合や歯の構造に影響が出ている場合は、矯正治療を行う前に治療が必要です。
そのため、歯科医師と相談し、虫歯の進行具合をしっかりと確認してから治療計画を立てることが大切です。
歯列矯正中に虫歯になった場合はどうする？
歯列矯正中に虫歯が見つかると不安になるかもしれませんが、安心してください。矯正中でも、適切に対処すれば治療は問題なく進められます。まずは虫歯の治療を優先し、その後矯正治療を再開します。虫歯がある状態で矯正を進めるのは歯に負担をかけ、トラブルを招く可能性があるため、早めの対応が大切です。しっかり治療を行い、矯正治療を続けるためのベストな方法を見つけていきましょう。
ワイヤー矯正中に虫歯ができた場合
ワイヤー矯正中に虫歯が発覚した場合、虫歯の位置や進行状況に応じて、矯正装置をそのままに治療できることもあります。
しかし、ワイヤーやブラケットが治療の妨げになる場合は、症状が軽度でも矯正装置を一時的に取り外して虫歯を治療します。
これにより、矯正治療を一時的に中断する可能性がありますが、虫歯が治れば治療は再開できます。早期に対応すれば、矯正治療を順調に続けることが可能です。
マウスピース矯正中に虫歯ができた場合
マウスピース矯正（インビザライン）の最大の利点は、取り外しができることです。
そのため、虫歯治療と並行して進めやすいのが特徴です。虫歯が見つかった場合、矯正装置を外して虫歯を治療することができるので、治療がスムーズに行えます。
しかし、もし虫歯が進行して歯を削る必要がある場合は、マウスピースが合わなくなることがあります。
その場合、新しいマウスピースを作り直す必要があるため、早期に治療を受けることが大切です。虫歯の進行を防ぐため、定期的な口腔ケアとチェックを心掛けましょう。
歯列矯正中に虫歯になる原因は？
ワイヤー矯正中の虫歯の原因
ワイヤー矯正では、矯正装置が歯に固定されているため、歯の表面に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。
装置が歯の隙間や周囲に引っかかるため、通常の歯磨きでは十分に取り除けないことがあります。
そのため、歯磨きが不十分になると、細菌が繁殖しやすく、虫歯が発生する原因となります。
マウスピース矯正中の虫歯の原因
マウスピース矯正（インビザラインなど）は、取り外しができるため日常的に食事や飲み物を楽しめるという利点がありますが、この利便性が逆に虫歯リスクを高める要因となることがあります。
具体的なリスクとして、マウスピースを装着したまま食事や飲み物を摂取することが挙げられます。
食後、歯に残った糖分や酸がマウスピースに閉じ込められることで、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯の原因になります。
さらに、マウスピースを取り外した後に歯磨きをせずに再装着することも、歯に食べかすが残ったままになり、虫歯を引き起こしやすい状態を作り出します。
装置が密閉性が高いため、歯が湿った状態で長時間過ごすことになり、虫歯を引き起こす酸性環境が維持されやすくなるのです。また、マウスピース自体の清掃が不十分だと、装置に残った汚れや細菌が口内に再び戻り、虫歯を引き起こすリスクが高くなります。
歯列矯正中に虫歯にならないために矯正治療中の予防方法を紹介
矯正中の丁寧な歯磨きで虫歯を予防
矯正治療中は装置が歯に固定されているため、食べかすやプラークがたまりやすくなります。そのため、毎日の歯磨きを徹底することが最も重要です。通常の歯ブラシでは届きにくい部分が多いため、デンタルフロスやワンタフトブラシを活用すると効果的です。
デンタルフロス
デンタルフロスは、矯正装置の隙間や歯と歯の間にたまった汚れをしっかり取り除けます。ワイヤー矯正中は歯と装置の間に食べかすが詰まりやすいため、フロスで隅々まで磨くことが必要です。
ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシは、矯正装置の周りやブラケットの隙間にしっかりと届くため、細かな部分まで磨けます。特に、ブラケットの周りやワイヤーの隙間は汚れがたまりやすいため、ワンタフトブラシで丁寧に磨くことが大切です。
食後には必ず歯磨きを行い、これらの道具を使って隅々まで磨くことで、虫歯や歯周病を予防できます。歯磨きが不十分だと、矯正治療の効果を損なう原因となるため、意識してケアを行いましょう。
定期検診で口内を清潔に保つ
矯正治療中は、装置が歯に固定されているため、通常の歯磨きだけでは取りきれない汚れやプラークが残りやすくなります。そのため、定期検診を受けることが非常に重要です。当院では定期的なプロフェッショナルクリーニングやチェックアップを行っているので、口内環境を綺麗に保つことができます。
また、定期検診では歯の動きが順調か、装置に問題がないかの確認も行われます。問題があれば早期に対処できるため、治療の進行を妨げず、健康な状態を保つことができます。定期検診は、矯正治療を成功させるための重要な一歩であり、清潔な口内を保つための第一歩です。
マウスピースの清掃
マウスピース矯正の場合、装置の清掃を毎日行うことが重要です。食べ物や汚れが付着したまま装着することで、口内に細菌が繁殖しやすくなります。マウスピースは専用のクリーナーで清潔に保ち、毎食後に取り外し、しっかりと洗浄することが必要です。
まとめ
歯列矯正中は、虫歯のリスクが高まりやすいため、日々の口腔ケアを徹底することが非常に重要です。特に、毎日の歯磨き、定期検診、食事の工夫を実践することで、虫歯を予防できます。もし虫歯が見つかれば、矯正治療と並行して適切に治療を行うことが可能な場合もあります。しかし、虫歯を放置すると治療が進められなくなることもあるため、早期の対応が必要です。
矯正治療中の口内の健康が気になる方や、虫歯の予防・治療方法について不安がある方は、ぜひ当院にご相談ください。専門医による適切なアドバイスとサポートを提供し、快適な治療をお手伝いします。今すぐご予約・お問い合わせいただき、健康な歯と美しい笑顔を手に入れましょう。