開咬｜博多で矯正歯科なら「むらつ歯科クリニック」

開咬を矯正で改善するためには、歯とかみ合わせのバランスを整えることが大切です。まず、前歯と奥歯の「高さ」をコントロールします。これには、前歯をわずかに「下げる・上げる」、あるいは奥歯を少し「沈める（圧下する）」など、ミリ単位で高さを調整していきます。次に、上下の歯の位置関係や傾きを整え、前歯のすき間を閉じるだけでなく、奥歯のかみ合わせも安定させます。前歯だけを無理に動かすのではなく、上下のバランスを見ながらコントロールすることが重要です。また、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖、口呼吸などの悪い癖を改善しないと、せっかく閉じたすき間が再び開いてしまうリスクがあります。そのため、必要に応じて舌のトレーニングや呼吸法の指導を行い、後戻りしにくい状態を目指します。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置を使い、これらの「高さ」「位置」「癖」の3つを意識しながら、弱い力を継続的にかけて少しずつ改善していきます。

開咬の矯正治療には、歯の移動とかみ合わせの調整が必要です。軽度の開咬ではワイヤー矯正で歯を適切な位置に移動させることで改善が可能ですが、重度の場合は顎の骨の調整が必要になることがあります。歯の位置だけでなく、上下顎の関係も大切なため、症例に合わせて最適な治療法を選択します。

TAD（アンカースクリュー）は、矯正治療において歯の移動を補助するための装置です。特に、重度の開咬では歯の圧下や牽引に役立ちます。また、歯の移動が必要かどうか、抜歯が適切かどうかは、治療計画の中で精密に判断し、患者様に最適な方法を提案します。

開咬の治療は通常、軽度の場合12〜18か月、中等度や重度の場合は18か月〜2年程度の期間がかかります。通院頻度は通常4〜6週ごとで、調整を行います。ワイヤー矯正の際は、治療の進行に合わせて調整を加え、歯の動きに合わせて装置の調整を行います。治療後の後戻りを防ぐため、装置の使用方法やケアのアドバイスも行います。

インビザライン（マウスピース型矯正装置）は、歯の傾きが原因の軽度〜中等度の開咬に適しています。特に歯性の開咬に対しては、歯の位置をスムーズに移動させることができ、目立たない治療が可能です。さらに、口腔筋機能療法（MFT）を併用し、舌の位置や嚥下（飲み込み）の改善を進めることで、治療の効果が高まります。舌癖や口呼吸などが原因で開咬が進行している場合には、インビザラインに加えて、機能訓練や習慣改善も併せて行います。

インビザラインは、歯の位置を細かく調整することができるため、アタッチメント（小さな突起物）や顎間ゴム（歯同士を結ぶゴム）を併用することができます。これらを使用することで、歯の移動精度が高まり、開咬の改善がスムーズに進みます。抜歯が必要な場合、インビザラインでも対応可能です。必要に応じて、治療計画を立て、最適な治療法を提案いたします。

インビザライン治療において注意が必要なケースとして、重度の骨格性開咬や顎の骨の不調和がある場合が挙げられます。このような場合、インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正や外科的矯正、機能療法を併用することが検討されます。特に、骨格性開咬や顎の問題が強い場合は、外科手術を併用して改善を図る必要があることもあります。そのため、患者様の状態に応じて最適な治療法を提案し、治療計画を立てます。