犬歯とは?八重歯との違いと治療方法までわかりやすく解説
犬歯とは?
犬歯は、前歯と奥歯のあいだにある歯で、日々の食事やかみ合わせの安定に深く関わっています。見た目で目立ちやすい歯でもありますが、役割を知ると、なぜ犬歯が大切だといわれるのかが分かりやすくなります。
犬歯の役割
食べ物を噛み切る
犬歯は、食べ物を捉えて噛み切る動きを助けます。繊維のある食材なども噛み切りやすく、食事の動作を滑らかにしやすいのが特徴です。
かみ合わせを支える
かみ合わせは、上下の歯を合わせるだけでなく、会話や咀しゃくで下あごが微妙に動くことで保たれます。犬歯が適切にかみ合うと、その動きがぶれにくくなり、歯列全体が安定しやすくなります。
奥歯や顎の負担を減らす
下あごを横に動かす場面では、犬歯が先に触れて動きを導くことで、奥歯が強くこすれ合うのを抑えやすくなります。結果として、奥歯や顎にかかる負担が偏りにくくなることがあります。
犬歯と八重歯の違い

犬歯と八重歯は、言葉が似ていて混同されやすいのですが、意味はまったく異なります。犬歯は歯の「名称」で、前歯から数えて3番目にある歯を指します。一方、八重歯は歯の名前ではなく、歯が本来の位置からずれて重なったり、外側にはみ出して見えたりする「歯並びの状態」を表す言葉です。つまり、犬歯は“どの歯か”、八重歯は“どんな並び方か”を示しています。
また、八重歯というと犬歯を思い浮かべる方が多いものの、八重歯は犬歯だけを指す言葉ではありません。スペース不足や生える向きの影響で、どの歯でも本来の位置からずれて生えることがあり、その結果として八重歯のように見える場合があります。
犬歯が八重歯になりやすい理由

生え変わりの順番とスペース不足
犬歯は、永久歯の中でも生え変わりが比較的遅い歯です。先に前歯や小臼歯が並び、最後に犬歯が生えてこようとしたときに、顎の中に十分なスペースが残っていないと、犬歯が正しい位置に入りきらず、外側へ押し出されるように生えることがあります。
とくに歯が並ぶ場所が足りない状態では、犬歯が本来の列から外れ、八重歯のように目立ちやすくなります。
顎が小さい・歯が大きいなどサイズの問題
歯並びは、顎の大きさと歯の大きさのバランスで決まります。顎が小さめであったり、歯が大きめであったりすると、歯がきれいに並ぶための幅が不足しやすくなります。
このような「顎に対して歯が並びきらない」状態では、突出して見えやすい犬歯が影響を受け、八重歯として表面化することがあります。
歯の向き、乳歯のトラブル、日常の癖
犬歯が生える向きがもともと内側・外側に傾いていたり、骨の中で進む方向がずれていたりすると、正しい位置に出てこないことがあります。また、乳歯が早く抜けた・逆に抜ける時期が遅れたなど、乳歯の状態が影響して、犬歯の通り道が変わってしまうケースもあります。
さらに、口呼吸や舌の癖、頬杖などの習慣が、顎の成長や歯列のバランスに影響することもあります。
八重歯を放置するリスク
八重歯は、見た目の問題として捉えられがちですが、歯並びの乱れは「磨きにくさ」や「噛み合わせの偏り」といった日常の不便につながることがあります。ここでは、放置した場合に起こり得る代表的なリスクを解説します。
虫歯・歯周病リスクが上がる
歯が重なっている部分は、歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが生じやすくなります。とくに犬歯が外側に出ているタイプの八重歯では、歯と歯の境目や、歯ぐきの際に汚れが溜まりやすい傾向があります。
その結果、虫歯だけでなく、歯ぐきの炎症が続いて歯周病につながる可能性も高まります。毎日丁寧に磨いているつもりでも、構造的に清掃が難しいのが八重歯の厄介な点です。
口の中を傷つけやすい
歯が外側へ突出していると、頬の内側や唇に当たりやすくなります。食事中に粘膜を噛みやすくなったり、口内炎を繰り返したりする方もいらっしゃいます。
軽い違和感で済む場合もあれば、日常的に痛みが出ることもあるため、「たかが口内炎」と放置せず、原因を一度確認しておくと安心です。
他の歯に負担がかかる場合がある
噛み合わせは、上下の歯が均等に力を受け止めてこそ安定します。しかし、八重歯があると噛み方が偏り、特定の歯だけに力が集中することがあります。
その状態が続くと、ある歯だけがすり減りやすくなったり、詰め物・被せ物が傷みやすくなったりするなど、周囲の歯に負担がかかる場合があります。噛み合わせの違和感がある方ほど、早めに状態を把握することが大切です。
見た目が気になる場合がある
八重歯は笑ったときに目に入りやすく、写真や会話の場面で口元が気になる原因になることがあります。気になり始めると、自然に笑えなくなったり、人前で口元を隠す癖がついたりする方も少なくありません。
見た目の悩みは、生活の質に直結しやすいものです。「少し気になる」段階でも、どの程度整えられるのかを知っておくだけで、気持ちが軽くなることがあります。
八重歯になった犬歯の治療方法
治療の基本は、犬歯を本来の位置へ導き、歯並びとかみ合わせのバランスを整えることです。ここでは、当院でも行っている代表的な治療方法を解説します。
矯正治療で歯並びと噛み合わせを整える
八重歯になった犬歯は、単に「飛び出している歯を引っ込める」だけでは解決しないことがあります。歯が並ぶためのスペースを確保し、歯列全体の中で犬歯が自然に機能できる位置へ動かすことが大切です。
そのため、矯正治療では精密検査を行い、歯の大きさや顎の幅、歯の傾き、かみ合わせの状態を確認したうえで治療計画を立てます。見た目の改善に加えて、清掃性(磨きやすさ)や、噛む力の偏りを減らすことも目的になります。
マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明な装置を装着し、段階的に歯を動かしていく方法です。装置が目立ちにくく、取り外して歯磨きができる点は大きな利点です。
一方で、八重歯の程度によっては、動かす距離が大きかったり、歯の向きの調整が必要だったりと、追加の処置や補助的な工夫が必要になる場合があります。マウスピース矯正が適しているかどうかは、犬歯の位置だけでなく、歯列全体の状態やかみ合わせを含めて判断します。
ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面に装置を固定し、ワイヤーの力で歯を計画的に動かしていく方法です。細かなコントロールがしやすく、歯の移動量が大きいケースや、歯の向きの調整が必要なケースでも対応しやすいのが特徴です。
犬歯の位置をしっかり整える必要がある場合、ワイヤー矯正が適していることも少なくありません。見た目、通院のしやすさ、ライフスタイルなども含め、どの方法が合うかは一緒に検討していきます。
「自分の場合はどの治療が向いているのか」「マウスピースで改善できるのか」といった点は、実際に診てみないと判断が難しいことがあります。気になる方は、まずは当院にご相談ください。
よくあるご質問
犬歯が八重歯だと抜歯が必要ですか?
必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。
犬歯は噛み合わせの安定に関わる大切な歯のため、矯正治療では「犬歯をできるだけ残して整える」方針になることが多いです。
ただし、歯が並ぶスペースが大きく不足している場合などは、歯列全体のバランスを考えて治療計画を立てる必要があります。抜歯の有無は見た目だけで決めるのではなく、顎の大きさ、歯のサイズ、かみ合わせの状態などを精密検査で確認したうえで判断します。
尖っている犬歯は削って整えられますか?
尖って見える犬歯でも、自己判断で削ることは避けてください。歯は表面の層を削ると、しみやすくなったり、欠けやすくなったりすることがあります。また、犬歯は噛み合わせの中で重要な役割を担う歯のため、形を変えることで噛み方に影響が出る可能性もあります。
見た目が気になる場合は、原因が「歯並び」なのか「歯の形」なのかを見極めることが大切です。整え方には複数の選択肢があり、どれが適しているかは状態によって変わります。
犬歯が出てこない、変な位置から生えてきた
犬歯は生え変わりが比較的遅い歯のため、「なかなか出てこない」と感じることがあります。また、スペース不足や生える向きの影響で、想定と違う場所から出てくるケースもあります。
大切なのは、放置して様子を見るべき状態なのか、早めに確認した方がよい状態なのかを見分けることです。たとえば、歯ぐきのふくらみが続く、左右で生え変わりの進み方に大きな差がある、歯が重なってきたなど、気になるサインがある場合は一度確認しておくと安心です。
お子さまの場合も大人の場合も、状況に応じた判断が必要になりますので、気になる方は当院にご相談ください。
博多で犬歯や八重歯のお悩みはむらつ歯科クリニックへ
犬歯が目立って見える原因は、歯が並ぶスペース不足や生え方の影響、かみ合わせの状態などで変わります。むらつ歯科クリニックでは、矯正担当医が状態を確認し、あなたに合う改善方法を分かりやすくお伝えします。「自分のケースはどの治療が向いているのか」を、まず一緒に確認しましょう。